こんにちは!ティールミュージックスクールです!
今日は倍音(ばいおん)について、小学生にも分かるように簡単に説明します!
倍音とは?
音は、空気が振動して耳に届くことで聞こえるものです。例えば、ギターの弦を弾くと、その弦が振動して音が出るますね。でも、その音は実は一つだけではなく、いろんな音が混ざっています。これが「倍音」の正体です。
自然界に発生する音の全てには倍音が含まれると言われており、例えば手を叩いた音ですら倍音を含んでいるということになります。
ちなみに時報のピッピッピッピーーーという音は倍音を含みません。
音の中にはまず、「基本の音」があって、それが一番大きな音となります。この音を「基音(きおん)」と言います。その基音に加えて、同時に鳴っている他の小さな音が倍音なんですね。(基音より大きな倍音が鳴るケースも稀にあります)
倍音は基音の倍の速さで振動しているから、倍音って名前がついています。例えばギターの弦を弾いた時、一番低い音が基音で、その音より高い音が倍音というわけです。
例えば、ギターの6弦の開放弦【ミ】の音(基音)を弾くと、ほんのり【ソ♯】の音(倍音)が聞こえます。ただ、ギターによっては倍音が含まれにくいギターもあるので、よく聞き取れない可能性もあるんです。この倍音の出方の違いが、楽器の音色の違いとなります。
違うギターで同じコードを弾いても、音が違って聞こえるのはこのためです。
もっと言うと、人の声の違いもこの倍音の違いからきています。人によって骨格が違いますので、声の響き(倍音の含まれ方)も違うということですね。
倍音はどのように出るの?
倍音はどういった形ででるのか。今回は分かりやすく基音を「ド」の音として考えてみましょう。
倍音は「ド」の音が基準だった場合、基音の「ド」から順番に倍音が出てきます。それぞれの倍音は、基音(この場合は「ド」)に対して振動数が倍になっていくので、音の高さが高くなります。
具体的には、以下のような順番で音が出ます。
1. 基音(1番目の音)これは基準となる「ド」の音です。最も低い音ですね。
2. 第2倍音:基音の2倍の振動数で鳴る音です。これは1オクターブ上の「ド」です。つまり、最初の「ド」より1オクターブ高い「ド」が出ます。
3. 第3倍音:基音の3倍の振動数で鳴る音です。これは「ソ」の音が出ます。基音の1オクターブ上の「ド」からドレミファソと上がっていった「ソ」の音です。
4. 第4倍音:基音の4倍の振動数で鳴る音です。これは基音から2オクターブ上の「ド」です。
5. 第5倍音:基音の5倍の振動数で鳴る音です。これは「ミ」の音です。基音から2オクターブ上の「ド」からドレミと上がっていった「ミ」の音です。
6. 第6倍音:基音の6倍の振動数で鳴る音です。これは「ソ」の音です。2オクターブ上の「ド」からドレミファソと上がっていった「ソ」の音です。
7. 第7倍音:基音の7倍の振動数で鳴る音ですが、これは理論上「シ♭」に近い音になります。基音から2オクターブ上の「ド」からドレミファソラシ♭と上がっていった「シ♭」となります。
8. 第8倍音:基音の8倍の振動数で鳴る音で、基音から3オクターブ上の「ド」が出ます。
まとめ
いかがでしたしょうか?先程の例から簡単にまとめると、倍音は最初の「ド」を基準に、次々と高い音が順番に「ド」「ソ」「ミ」などという風に出てきます。特に初期の倍音(3番目や5番目の倍音)は、基音とは異なる音(ドとは違う音)が鳴っていますので、私たちの耳で聞き取りやすいものです。この倍音の組み合わせによって音の響きが豊かになり、楽器や人の音の違い(音色の違い)に繋がっているんですね。
ちなみに、この倍音の出方を研究し、よりリアルな楽器の音色をMIDI音源として使えるよう、日々技術が進歩しています。最近はパソコンの打ち込みだけで作られているような音楽も多いですよね。
しかしながら、ギター、ピアノ、ヴァイオリン等倍音の出方が複雑なものはまだ正確にはパソコンで表現しきれない部分もあるのも事実です。
あと10年もしたらよりリアルなギター音源等もパソコンの打ち込みで再現出来てしまうかもしれませんね。
少し寂しい気もしますが、昨今の打ち込み音源のクオリティアップを見ていると、そんな未来も近いかもしれません。