ダイアトニックコードとは?
ダイアトニックコードとはなんなのか?
今日は音楽講師歴15年の現役講師が分かりやすく解説してみたいと思います。
まずはダイアトニックコード表を見てみましょう!

これだけだと全く意味が分かりませんね?笑
ダイアトニックコードというのは特定のキーのダイアトニックスケール(音階)上にできる和音のことです。
世界には色々なスケール(音階)がありますが、最もポピュラーな音階は「ドレミファソラシド」です。
なのでダイアトニックコードと言われたら上記のドレミファソラシド=メジャースケール上にできる和音(ダイアトニックコード)が一般的に紹介されます。
表の見方ですが、各keyに合わせて横に見ていきます。
例えばkey=Cの時は左から
C Dm Em F G Am Bdim
という順番で並んでますね。このコードの構成音はそれぞれ
C=ドミソ
Dm=レファラ
Em=ミソシ
F=ファラド
G=ソシレ
Am=ラドミ
Bdim=シレファ
という形になっています。
勘のいい方は気付きましたか?
ここで鍵盤の図を見てみましょう!

鍵盤でC、Dm、Em、F・・・と弾いていくと、最初のC(ドミソ)の形を一つずつ右にずらしているだけという事実に気付くはずです。
つまり、key=Cのメジャースケール上にできるダイアトニックコードはドレミファソラシドという音階上で一つ飛ばしの音を重ねて作られたコードということになります。
ダイアトニックコード表のkey=CからD♭(C#)→D→E♭(D#)→E・・・と下に行くに連れてkeyの音(音階)が半音ずつ高くなり、それに伴いダイアトニックコードの構成音も半音ずつ高くなるということです。
分かり易く言えば、Cメジャースケール【ドレミファソラシド】のkeyを7つ上げたら(カラオケのkey変更でリモコンの#ボタンを7回押すのと同じです)Gメジャースケール【ソラシドレミファ#ソ】になります。
そしてkey=Cのダイアトニックコード
C、Dm、Em、F、G、Am、Bdim
のkeyを7つ上げたら、key=Gのダイアトニックコード
G、Am、Bm、C、D、Em、F#dim
になるということですね!
ダイアトニックコードが分かると何がいい?
今でこそ自由が丘でギター教室を構えている私ですが、私が愛知で高校生だった頃、曲を作っていてこんな風に思うことがありました。
「C→F→G→Amのコード進行っていいな!これで曲を作れるぞ!」
「G→C→D→Emもいい進行だ!また新しいコード進行を思い付いたぞ!」
といった感じです。
でも、もう皆さんお気付きですね?
そうです。この2つの進行は曲のkey(高さ)が違うだけで全く同じ進行です。
それぞれダイアトニックコード表の左から1番目→4番目→5番目→6番目というコード進行になっています。
こういうことにならないよう、「ダイアトニックコードの理解が出来ると、keyに惑わされず純粋にコード進行の違いだけを考えることができる」というのがダイアトニックコードを理解する最大のメリットとなります。
このように、「コードだけ見てると全然違う進行のように見えるけど、実際keyを変えたらこの曲もあの曲も同じ進行じゃん!!」って思うことは多々あります。有名なところではカノン進行ですね。具体的にはダイアトニックコード表の左から1→5→6→3→4→1→4→5という進行になっていて、これはkey=Cに置き換えると
C→G→Am→Em→F→C→F→G
という進行になります。
これは有名なクラシック楽曲「パッヘルベルのカノン」がこのようなコード進行だったために言われるようになりましたが、実際にポップスでもかなり使われています。
1→5→6→4の進行だけでこんなに曲があるんだよ!とコメディっぽく紹介している人達もいますね。
いかがでしたでしょうか?
「え!?こんなにコード進行が被ってて著作権の侵害にならないの!?」
って思いましたか?
これは実際に私が事務所に所属していた時に社長に言われた言葉ですが、
「コード進行は知的共有財産だから、いい進行はどんどん真似して曲を作りなさい!」
ということなんです。ダイアトニックコードを学ぶと王道の進行も分かりますし、あまり人が使わない進行というのも分かったりして楽しいですよ!
